コロナ禍で子どもの生活習慣はどう変わった?世界の調査が示す睡眠・食事への影響

休校や外出制限が続いた時期、子どもの生活リズムが乱れたと感じたことはありませんか。

夜ふかしが増えた、外遊びが減った、という変化は日本だけの話ではありません。

実はコロナ禍が世界中の子どもの食事や睡眠、運動に与えた影響をまとめた研究があります。

この記事ではその内容を手がかりに、生活リズムを立て直すヒントを一緒に考えてみましょう。

 

 

 

コロナ禍で乱れた子どもの生活習慣

 

コロナ禍に家庭で食事をとる子どもの生活の様子

 

世界の子どもを対象にした国際レビュー

 

今回手がかりにするのは、研究者のSerena Scapaticciさんたちが2022年に発表した総説です。

総説とは、世界各国の研究結果を集めて、全体像を整理するタイプの研究を指します。

感染そのものではなく、パンデミックの間接的な影響に注目した点が大きな特徴。

その結果、食事・運動・睡眠・心の健康のすべてに影響が及んでいたと報告されています。

 

  • 対象:世界各国の子どもと思春期の若者
  • テーマ:食事・運動・睡眠・心の健康への間接的な影響
  • 発表:2022年、小児科分野の国際専門誌

 

食事の乱れと体重増加のリスク

 

家で過ごす時間が長くなると、間食や甘い飲み物がどうしても増えやすくなります。

各国の調査では、体重が増えた子どもと栄養が足りない子どもの両方が確認されました。

つまり、太りすぎとやせすぎという正反対の問題が、同時に起きていたわけです。

家庭の経済状況によって、食事の質に差が広がったという指摘もあります。

 

座りっぱなしの時間が世界中で増えた

 

学校の休校や外出制限は、体を動かす機会を世界中で大きく減らしました。

その分だけ画面を見る時間が延び、座って過ごす時間が長くなったようです。

運動不足は体力の低下だけでなく、気分の落ち込みにもつながると考えられています。

 

ポイント

コロナ禍の本当のリスクは感染だけではなく、生活習慣全体の乱れにも隠れていました。

 

睡眠リズムと心にも及んだ影響

 

ベッドで眠る子どもと睡眠リズムのイメージ

 

夜型化した子どもの睡眠リズム

 

登校がなくなった時期、起きる時間も眠る時間も、少しずつ後ろにずれていきました。

各国の報告では、就寝と起床の時刻が遅くなる夜型化の傾向が示されています。

睡眠時間そのものは延びた例もあるものの、リズムの乱れは日中の集中力に響きかねません。

眠る長さだけでなく、眠るリズムが崩れたことが大きな問題だったと言えるでしょう。

 

孤立がもたらした心の負担

 

友達と会えない日々は、大人が想像する以上に大きなストレスでした。

不安や気分の落ち込みが増えたことは、多くの国で共通して確認されています。

体を動かさない生活と心の不調は、互いに影響し合う関係にあるようです。

 

栄養と免疫の見逃せない関係

 

この研究が特に強調するのは、栄養が免疫の働きを支えるという視点です。

バランスの取れた食事は、感染症に負けない体づくりの土台になると考えられます。

特効薬に頼れない状況だからこそ、毎日の食事という身近な予防策が見直されたのではないでしょうか。

 

ポイント

影響は生活の変化だけでなく、睡眠のリズムや心の健康、栄養状態にまで及んでいました。

 

生活リズムを立て直す3つの工夫

 

屋外で元気に体を動かして遊ぶ子どもたちの姿

 

食事の時間を毎日そろえる

 

まず取り組みやすいのは、三度の食事の時間を一定に保つことです。

食事の時刻がそろうと体内時計が整い、睡眠のリズムも安定しやすくなります。

間食は時間と量をあらかじめ決めておくと、だらだら食べを防ぎやすくなるでしょう。

野菜やたんぱく質を意識した献立は、免疫を支える栄養補給にも役立ちます。

 

短時間でも体を動かす習慣をつくる

 

運動は、まとまった時間が取れなくても構いません。

散歩や縄跳び、ラジオ体操など、10分ほどの活動から始めてみてはどうでしょうか。

家庭や学校では、大人も一緒に体を動かすと、習慣として続きやすくなります。

日中にしっかり動いた日は、夜の寝つきが良くなる傾向も報告されています。

 

眠る前の1時間の過ごし方を見直す

 

夜型化を防ぐ鍵は、眠る前の1時間の過ごし方にあります。

「早く寝なさい」

と声をかけるだけでは、生活のリズムはなかなか戻りません。

就寝前は画面から離れて照明を少し落とし、朝は決まった時間に太陽の光を浴びてみましょう。

大人が手本を示しながら一緒に取り組むと、子どもも続けやすくなるのではないでしょうか。

 

ポイント

この研究は各国の報告をまとめた総説で、対策一つ一つの効果を厳密に証明したものではありません。

それでも、生活リズムを整える工夫が心と体の土台づくりに役立つことは確かだと考えられます。

 

まとめ

 

朝の公園を一緒に歩く家族と生活リズムの回復

 

コロナ禍は、世界中の子どもの食事・運動・睡眠・心の健康に、幅広い影を落としました。

そこから見えてくるのは、毎日の生活習慣こそが心と体を守る土台になるという視点です。

非常時に限らず、リズムの整った暮らしは学びの力も支えてくれるでしょう。

 

  • コロナ禍の影響は感染だけでなく食事・運動・睡眠・心にも及んだ
  • 睡眠は長さよりもリズムの乱れが大きな問題になった
  • 食事時間の固定・短時間の運動・寝る前の工夫が立て直しの鍵

 

ぜひ今日から、教育や学びの場で取り入れてみてください。

 

【参考論文】

The impact of the COVID-19 pandemic on lifestyle behaviors in children and adolescents: an international overview

著者:Serena Scapaticci, Costanza Neri, Gian Luigi Marseglia, Annamaria Staiano, F Chiarelli ほか(2022年)

DOI:https://doi.org/10.1186/s13052-022-01211-y

 

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