幼児のスクリーンタイムどう付き合う?4つのMで考える健やかなメディア習慣

動画やタブレットと、小さな子どもはどう付き合えば良いのでしょうか。

コロナ禍を経て、家庭でも保育の現場でも、画面に触れる時間は大きく増えました。

「画面は悪影響?それとも学びのチャンス?」

そんな迷いを抱える人は少なくないはずです。

カナダ小児科学会の研究チームは、5歳未満の子どもとメディアの関係を検証した声明を公表しています。

この記事では、その知見をもとに画面との健やかな付き合い方を考えます。

 

 

 

幼児のスクリーンタイム目安は?

 

タブレットの画面をじっと見つめる幼児の様子

 

5歳未満を対象にした声明

 

今回手がかりにするのは、研究者のMichelle Pontiさんたちが2023年に発表した声明です。

カナダ小児科学会が2017年の指針を、最新の研究をふまえて更新しました。

背景には、コロナ禍で子どものメディア環境が一変したという事情があります。

発達や心の健康から体への影響まで、幅広く検討されているのが特徴です。

 

2歳未満は視聴を勧めない

 

声明では、年齢ごとの目安がはっきり示されました。

低年齢であるほど、画面よりも人との関わりが重視されている点が印象的です。

 

  • 2歳未満:ビデオ通話を除き、視聴は勧めない
  • 2〜5歳:日常的な視聴は1日1時間未満に
  • 年齢を問わず:食事中や就寝前の視聴は避ける

 

幼いうちからの習慣づくりが何より鍵になると述べられています。

 

長時間視聴で高まるリスク

 

長時間の視聴は、言葉の発達の遅れと関連すると報告されています。

睡眠の質の低下や、体を動かす時間の減少との関係も指摘されました。

視力や姿勢など、体への負担を心配する声もあるようです。

 

ポイント

2歳未満は視聴を勧めず、2〜5歳は1日1時間未満が一つの目安。

時間の上限だけでなく、見る場面や内容にも目を向けることが勧められています。

 

時間だけでは測れない画面の影響

 

大人と子どもが一緒に画面を見て会話する様子

 

同じ1時間でも中身で差が出る

 

ここで興味深いのは、時間の長さだけが問題ではないという点です。

年齢に合った教育的な内容なら、言葉や知識の学びにつながると示されています。

一方、展開の速い映像や大人向けの内容は、注意力への悪影響が懸念されました。

 

一緒に見ると学びが深まる

 

大人がそばで一緒に画面を見て、言葉を添える関わりを共視聴と呼びます。

見た内容を会話につなげると、子どもの理解はぐっと深まるようです。

誰と、どのように見るかが学びの質を左右するという見方もできます。

 

つけっぱなしのテレビに注意

 

誰も見ていないのに、テレビがついている場面はないでしょうか。

こうした状態は、遊びへの集中や大人との会話を妨げると報告されています。

大人がスマホに気を取られ、子どもとの関わりが途切れる影響も見過ごせません。

 

ポイント

影響を決めるのは、時間と内容と関わり方の組み合わせ。

誰も見ていない画面を消すだけでも、環境は大きく変わるはずです。

 

家庭や現場で使える4つのM

 

画面から離れて積み木遊びを楽しむ大人と子ども

 

最小限にして場面を決める

 

一つ目のMは、使用そのものを最小限(Minimize)に抑えるという考え方です。

手始めに、食事中と就寝前の1時間は画面を使わないと決めてみましょう。

寝室に機器を持ち込まないルールも、眠りを守るのに役立つでしょう。

 

内容を選び意識して使う

 

二つ目と三つ目のMは、悪影響を和らげ(Mitigate)、意識的に使う(Mindful)ことです。

年齢に合った質の高い内容を、大人が前もって選んでおきたいところです。

見終わった後に感想を話し合えば、受け身の視聴が対話の時間に変わります。

なお、紹介した知見の多くは相関関係の研究で、因果関係とまでは言い切れません。

それでも、環境を整えて損はないと考えられます。

 

大人がお手本を示す

 

四つ目のMは、大人自身が健やかな使い方の手本(Model)になることです。

子どもと過ごす時間は、スマホを手の届かない場所に置いてみてはどうでしょうか。

大人の使い方こそ一番の教材と言えるのかもしれません。

 

ポイント

4つのMとは、最小限に(Minimize)・和らげて(Mitigate)・意識して(Mindful)・手本を示す(Model)という合言葉です。

完璧を目指すより、できる工夫から一つずつ始める姿勢が大切です。

 

まとめ

 

屋外でのびのびと体を動かして遊ぶ子どもたち

 

幼児のスクリーンタイムは、禁止か容認かの二択で語れる話ではありません。

年齢に応じた目安を知り、内容と関わり方を工夫するという視点が見えてきます。

 

  • 2歳未満は視聴を勧めず、2〜5歳は1日1時間未満が目安
  • 内容の質と、大人が一緒に見る関わりが学びを左右する
  • 最小限(Minimize)・緩和(Mitigate)・意識(Mindful)・手本(Model)の4つのMで環境を整える

 

ぜひ今日から、教育や学びの場で取り入れてみてください。

 

【参考論文】

Screen time and preschool children: Promoting health and development in a digital world

著者: Michelle Ponti(2023年)

DOI: https://doi.org/10.1093/pch/pxac125

 

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