読書量が多い子は語彙力も高い?小学生992人の研究が示したこと

「本をよく読む子は、頭が良い」

そんな言葉を、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

とはいえ、読書が本当に学力につながるのかを確かめるのは、簡単ではありません。

うちの子はゲームばかり、と気をもむ保護者の方も多いと思います。

実はこの疑問に、日本の小学生992人を調べて向き合った研究があります。

今回は読書量と語彙力・読解力の関係を、その研究から読み解いていきます。

 

 

 

読書量が多い子は語彙力も高い

 

自宅でくつろいで本を読む子ども

 

研究が出した答えは、とても明快なものでした。

今回手がかりにするのは、研究者の猪原敬介さんたちが学術誌『教育心理学研究』に発表した調査です。

たくさん本を読む子どもほど、語彙力や文章を読み解く力が高い傾向にあったのです。

「読書は学力に効く」

という実感を、データが裏付けた形です。

 

992人の小学生を調べた

 

この研究は、小学1年生から6年生まで992人を対象にしています。

一人ひとりの読書量と、語彙力・文章理解力を丁寧に測りました。

学年の幅が広く人数も多いため、結果には一定の信頼性があります。

 

読む量と言葉の力はつながる

 

分析の結果、読書量の多さは語彙力の高さと正の相関を示しました。

文章を読み解く力とも、同じように関係が見られています。

本を読む経験が、言葉の力を静かに育てている可能性があります。

 

ポイント

読書量が多い子ほど語彙力・読解力が高い傾向が、992人の調査で確認されました。

 

ただし読んだ量は測りにくい

 

図書館に並ぶさまざまな子ども向けの本

 

この研究には、もう一つ面白い発見があります。

読書量を測る物差しは、決して一つではないということです。

 

冊数だけでは測れない

 

読書量と聞くと、読んだ本の冊数を思い浮かべますよね。

けれど研究では、複数の方法で読書量を推定しています。

そして、その物差しどうしはそれほど強く一致しませんでした。

冊数が多い子と長い時間読む子は、必ずしも同じではないのです。

 

数より中身という視点

 

量の測り方が一つでないことは、読書の奥深さを物語っています。

冊数を競うより、子どもが夢中になれる一冊を見つけることが大切です。

同じ本を何度も読み返す時間にも、確かな価値があります。

 

家庭で読書習慣を育てる工夫

 

リビングで一緒に本を読む親子

 

では、家庭ではどう読書を後押しすれば良いのでしょうか。

ここで一つ、正直にお伝えしたい点があります。

今回の研究は相関を示したもので、読書が学力を上げると証明したわけではありません。

それでも、読書を楽しむ環境づくりには大きな意味があります。

 

読みなさいより一緒に楽しむ

 

読書を押しつけると、かえって本嫌いを生みかねません。

親が楽しそうに本を開く姿は、何よりの手本になります。

週末に一緒に図書館へ出かけるのも、良いきっかけになります。

 

本を身近に置く

 

リビングに数冊置いておくだけでも、手に取る機会は増えます。

子どもの好きなジャンルから始めると、長く続きやすいです。

図鑑やマンガも、立派な読書の入り口になります。

 

ポイント

冊数を競わせるより、子どもが夢中になれる一冊との出会いを大切にしましょう。

 

まとめ

 

窓辺のやわらかな光の中で本を読む小学生

 

読書量と語彙力・読解力には、確かなつながりが見られました。

大切なのは量をこなすことより、読書を楽しいと感じる気持ちです。

 

  • 読書量が多い子ほど語彙力・読解力が高い傾向(992人の研究)
  • 読書量の測り方は一つではなく、冊数だけが指標ではない
  • 家庭では「一緒に楽しむ」「本を身近に置く」工夫が効く

 

ぜひ今日から、お子さんと本を開く時間を楽しんでみてください。

 

【参考論文】

猪原敬介・上田紋佳・塩谷京子・小山内秀和「複数の読書量推定指標と語彙力・文章理解力との関係—日本人小学校児童への横断的調査による検討—」

教育心理学研究 第63巻第3号 254-266ページ(2015年)

DOI: https://doi.org/10.5926/jjep.63.254

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