ネイティブ英語を目指さなくていい?世界で通じる新しい英語の考え方

今、世界の多くの場所で英語が共通語として使われています。

そして英語を話す人の大半は、実はネイティブではないと言われています。

そんな時代に、こんな不安を抱く人も少なくありません。

「ネイティブのように話せないと恥ずかしい」

という気持ちではないでしょうか。

けれども、その常識は今、大きく揺らいでいます。

 

 

 

ネイティブ信仰から自由になる英語

 

世界中の多様な人々が英語で会話している様子

 

今回手がかりにするのは、研究者のNobuyuki Hinoさんが2021年に発表した論考です。

英語教育のあり方を、根本から問い直す内容になっています。

 

ネイティブ信仰とは何か

 

そもそもネイティブ信仰とは、何を指すのでしょうか。

この研究では、ネイティブ話者を権威とみなす考え方と説明されています。

言い換えると、ネイティブこそ正しいと信じる姿勢のことです。

この前提が広まると、非ネイティブは常にネイティブへ合わせるべきだとされがちです。

その前提こそ、今問い直されています

 

非ネイティブが世界の多数派

 

実のところ、英語話者の多くは非ネイティブだと分かっています。

世界では、英語を第二言語として使う人が圧倒的に多いのです。

つまり英語は、もはやネイティブだけのものではありません。

国と国をつなぐ共通語として使われる場面が大半を占めます。

 

基準を相対化するという考え

 

そこで注目されるのが、ポスト・ネイティブ信仰という視点です。

これはネイティブの基準を絶対視しない立場を意味します。

ネイティブの英語を唯一の正解とせず、相対的に捉え直すわけです。

学ぶ人にとって、大きな心の支えになる考え方ではないでしょうか。

 

ポイント

ネイティブ信仰とは、ネイティブを正しさの基準とみなす考え方です。

世界の英語話者は、むしろ非ネイティブが多数を占めています。

 

英語の多様性を認める3つの視点

 

国境を越えて英語でつながる世界のイメージ

 

この論考が最も重く見ているのは、実は人権の問題です。

意外に感じる人も多いのではないでしょうか。

 

表現の自由という人権の問題

 

ネイティブ信仰は、思考と表現の自由を抑えてしまうと指摘されています。

自分らしい言い回しを、間違いとして封じてしまうためです。

言葉を通じて本当の自分を出せない状態は、確かに苦しいものでしょう。

言葉の自由は、大切な人権の一つ

 

EIL・WE・ELFという枠組み

 

研究では、多様な英語を捉える3つの枠組みが紹介されています。

 

  • EIL:国際語としての英語
  • WE:世界に広がる多様な英語
  • ELF:共通語としての英語

 

いずれも、ネイティブ以外の英語を対等に扱う考え方です。

これらを教育の場で統合していく展望も示されました。

 

本当の自分を表現する英語

 

大切なのは、借り物ではない自分の言葉で話すことです。

Hinoさんは、これを本物らしさ(オーセンティシティ)と呼んでいます。

自分の文化や考えをのせた英語にも、確かな価値があります。

無理にネイティブを演じる必要はないと言えるでしょう。

 

ポイント

ネイティブ信仰は、表現の自由という人権を狭めてしまいます。

EIL・WE・ELFは、多様な英語を対等に見るための視点です。

 

自分らしい英語を育てる学びの工夫

 

教室で楽しく英語を学ぶ子どもたちの様子

 

ここからは、日々の学びに活かせる工夫を考えてみましょう。

難しい理論も、身近な行動に落とし込めます。

 

正しさより伝わることを大切に

 

まず意識したいのは、完璧さより伝わることです。

発音や文法の小さな誤りを、過度に責めないようにしたいところです。

伝えられたという喜びこそ、次の意欲につながります。

間違いを恐れない空気が、学ぶ力をぐんと伸ばします。

 

多様な英語に触れる機会をつくる

 

次に、いろいろな国の英語に触れてみてはどうでしょうか。

インドやフィリピンなど、世界にはさまざまな英語があります。

多様な発音に慣れると、聞く力も自然と広がっていきます。

家庭や学校では、動画や音声を一緒に楽しむのも良い方法です。

 

自分の考えを持って話す

 

そして、何を伝えたいかを何より大切にしてみましょう。

研究では、批判的リテラシーという力も重視されています。

これは物事を自分の頭で考え、判断する姿勢のことです。

自分の意見を持つ人ほど、英語も自分の言葉になっていきます。

中身のある言葉こそ世界に届きます

 

ポイント

正しさより、伝わる喜びを大切にしてみましょう。

多様な英語に触れ、自分の考えを持って話す習慣が役立ちます。

 

まとめ

 

自分の言葉で自信を持って話す学生の姿

 

英語学習の常識が、今まさに大きく変わりつつあります。

ネイティブだけを唯一の手本とする時代は、終わりに近づいています。

大切なのは、自分らしい言葉で世界とつながる力ではないでしょうか。

 

  • ネイティブ信仰は表現の自由を狭めてしまう
  • 世界の英語話者は非ネイティブが多数派
  • 正しさより伝わることと自分の考えを大切に

 

ぜひ今日から、教育や学びの場で取り入れてみてください。

 

【参考論文】

Language education from a post-native-speakerist perspective: The case of English as an international language

著者: Nobuyuki Hino(2021年)

DOI: https://doi.org/10.22363/2687-0088-2021-25-2-528-545

 

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