コロナ禍でも揺らがない、イタリアの10代が見せた驚きの心の強さとは

世界中で猛威を振るった新型コロナウイルス。

イタリアでは2020年春、ヨーロッパで最も早く厳しいロックダウンが行われました。

そんな中、約3,000人もの10代を対象に行われた大規模調査があります。

驚いたことに、回答した若者の多くが予想を超える心の安定を見せたと報告されています。

これは2020年にCarlo Buzzi氏らがイタリアで実施し発表した論文

「The psycho-social effects of COVID-19 on Italian adolescents’ attitudes and behaviors」

で明らかにされた事実です。

不安や恐怖、孤立感に押しつぶされそうな状況下で、なぜ若者たちは前を向けたのでしょうか。

今回はその研究結果を読み解きながら、家庭や学校で今日から活かせるヒントを探っていきます。

 

 

 

論文の概要

 

コロナ禍で自宅学習するイタリアの10代の若者

 

研究の対象と目的

 

この研究はイタリア全土の思春期世代を対象としています。

新型コロナの流行が10代の心と生活にどう影響したかを調べるのが目的でした。

背景には、ロックダウンによる長期休校や外出制限がありました。

大人だけでなく若者の心理面にも注目した点が大きな特徴です。

 

  • 対象:イタリア在住の10代
  • 時期:2020年のコロナ流行下
  • 調査方法:大規模アンケート

 

どのように調べたか

 

調査は4つの大きなテーマで構成されていました。

1つ目は

「不安や恐怖」

2つ目は

「パンデミックに関する情報源」

です。

3つ目はロックダウンなど

「行政の対応への評価」

でした。

そして4つ目は

「日常生活への影響」

を尋ねるものです。

多くの若者が積極的に回答に協力したと報告されています。

 

結果の概要

 

コロナは10代の感情や生活スタイルに確かな影響を与えました。

友人や家族との関係性にも変化が見られたようです。

一方で、地域による差も観察されました。

北部と南部では感染状況が異なり、心理的影響にも差が出たと考えられます。

 

ポイント

イタリアの10代を対象にした大規模調査で、コロナ禍における不安・情報・行政対応・日常生活の4側面が丁寧に検証されました。

 

分かったこと

 

ビデオ通話で友人と交流する思春期の若者

 

最も重要な発見

 

最も注目すべきは、若者たちの健全で意外な感情の安定でした。

命に関わる未知の脅威に直面したにもかかわらず、です。

事態の重大さを理解した上で、必要な対策に進んで従っていました。

パニックや投げやりな態度ではなく、現実を受け止める姿勢が見られたのです。

これは大人が想像していた以上の成熟した反応だったと言えるでしょう。

 

もう一つの注目ポイント

 

若者は新しい日常に柔軟に適応していったことが明らかになっています。

外出できない中でも、社会的・心理的な欲求を満たす工夫をしていました。

オンラインを通じた友人との交流が代表例です。

趣味や学びを深める時間として活用した子もいたと推察されます。

 

  • SNSやビデオ通話で友達とつながる
  • 家族との時間が増えて関係が変化
  • 新しい興味や習慣を見つける

 

意外な結果や副次的な気づき

 

地域による違いも見逃せない発見でした。

感染が深刻だった北部と比較的穏やかだった南部では、不安の度合いに差があったようです。

また、保護者との関係性にも変化が報告されました。

長時間一緒に過ごすことで関係が深まる家庭もあれば、摩擦が増えた家庭もあったと考えられます。

 

ポイント

逆境下でも10代は「適応する力」と「代替手段を生み出す創造性」を発揮し、心の均衡を保つ力を見せました。

 

日常で活かせること

 

リビングで対話する家族と思春期の子ども

 

若者の「適応力」を信じる姿勢を持つ

 

大人はつい、若者は守るべき弱い存在だと考えがちです。

しかしこの研究は、10代が持つ内なる強さを示しています。

困難な状況でも、本人を信じて見守る姿勢が大切です。

過剰に心配を口にするより、まず話を聴いてみてはどうでしょうか。

「あなたなら大丈夫」

というメッセージが本人の自信を支えます。

 

代替手段を一緒に探す

 

従来の方法が使えないとき、若者は新しい道を見つける力を持っています。

その挑戦を否定せず、応援する関わり方が役立ちます。

オンラインでの交流や、自宅でできる活動を一緒に考えてみましょう。

家庭や学校では、選択肢を広げる声かけが望まれます。

 

不確実な状況での対話を増やす

 

先が見えない時こそ、丁寧な対話が心の支えになります。

正確な情報を共有することは、漠然とした不安をやわらげる効果があるのです。

とはいえ、情報の押しつけは逆効果になるかもしれません。

本人の関心に寄り添いながら、一緒に考える時間を作りたいところです。

 

  • 「どう感じてる?」と気持ちを聞く
  • 事実と憶測を分けて伝える
  • 沈黙を許容し急がせない

 

まとめ

 

窓の外を見つめる希望に満ちた若者の姿

 

イタリアの10代が見せたのは、逆境を生き抜くしなやかな心の力でした。

大人が思う以上に、若者には困難を乗り越える底力が備わっているのかもしれません。

 

  • 10代は予想以上に感情の安定を保てる
  • 新しい状況にも柔軟に適応する力がある
  • 信じて見守る大人の姿勢が支えになる

 

ぜひ今日から、教育や学びの場で取り入れてみてください。

 

【参考論文】

The psycho-social effects of COVID-19 on Italian adolescents’ attitudes and behaviors

著者: Carlo Buzzi, Maurizio Tucci, Riccardo Ciprandi, Ilaria Brambilla, Silvia Caimmi ほか(2020年)

DOI: https://doi.org/10.1186/s13052-020-00833-4

 

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