コロナ禍が幼児教育に残したもの、北欧と米国3カ国の現場から学ぶ教訓

感染症が広がったとき、子どもの育ちや学びはどう守られたのでしょうか。

家庭や園での時間が大きく変わった経験を、覚えている方も多いはずです。

あの時期に現場で何が起こり、何が残されたのかを振り返ってみたいと思います。

今回ご紹介するのは、2020年にIngrid Pramling Samuelsson氏らが発表した論文です。

タイトルは

「The Coronavirus Pandemic and Lessons Learned in Preschools in Norway, Sweden and the United States」

といいます。

ノルウェー・スウェーデン・アメリカの3カ国の幼児教育現場を比較した貴重な報告です。

危機の中にこそ、未来の教育のヒントが隠れています

 

 

 

論文の概要 – どんな研究か・誰が対象か

 

北欧の幼児教育施設で外遊びをする子どもたちの様子

 

この論文はOMEPという国際的な幼児教育団体の報告書です。

OMEPとは世界中の幼児教育の専門家が集まる組織のことです。

著者はスウェーデン・アメリカ・ノルウェーの研究者3名です。

Ingrid Pramling Samuelsson氏らは各国の保育現場を丁寧に調べました。

対象となったのは3カ国の幼児教育施設で働く先生や子どもたちです。

各国で感染状況や政府の対応が大きく異なっていた点に注目しています。

同じ感染症でも国によって保育のあり方は大きく違いました

 

ポイント

この研究は、3カ国の現場の先生の声をもとにまとめられた比較報告です。

 

3カ国の対応の違い

 

スウェーデンは幼児教育施設をほぼ閉鎖しませんでした。

ノルウェーは一時的に閉鎖しましたが比較的早く再開しました。

アメリカは州によって対応がばらばらでした。

この違いは各国の文化や社会制度を反映しています。

 

わかったこと – 難しい内容をやさしく要約

 

先生が少人数の子どもに絵本を読み聞かせる場面

 

調査からはいくつかの共通した発見がありました。

まず、先生たちは感染予防と子どもの育ちの両立に悩んでいました。

手洗いや距離を保つことと、温かいふれあいは両立が難しい課題です。

子どもにとって人との関わりは育ちの土台です

次に、家庭と園との連絡の大切さが再認識されました。

オンラインでの交流や動画の共有など新しい工夫が広がったのです。

一方で、デジタル環境が整わない家庭との格差も明らかになりました。

 

子どもたちが見せた反応

 

子どもは大人が思う以上に状況を敏感に感じ取っていました。

不安を示す子もいれば、家族と過ごす時間を喜ぶ子もいたのです。

先生たちは子どもの気持ちを言葉にする手助けをしていました。

 

先生たちが得た学び

 

危機の中で先生は工夫と柔軟さを磨いていきました。

外遊びの時間を増やす園や少人数での活動を取り入れる園もありました。

この経験は今後の保育にも活きる貴重な財産となっています。

 

ポイント

危機の経験は、保育の柔軟さと家庭との連携の大切さを浮き彫りにしました。

 

日常で活かせること – 実践的活用法・3つ以上の具体策

 

家庭で絵を描いて気持ちを表現する子どもの姿

 

この研究から学べることは、緊急時だけに限りません。

日々の教育や子育てにも応用できるヒントが詰まっています。

普段からの備えと関係づくりが子どもを守ります

 

  1. 家庭と園や学校の連絡手段を複数持っておく
  2. 外遊びや自然との関わりを日常に取り入れる
  3. 子どもの気持ちを言葉にする機会をつくる
  4. 少人数でじっくり関われる時間を大切にする

 

家庭と現場のつながりを強める

 

日常的に連絡を取り合う関係があれば、緊急時も慌てません。

写真や動画の共有は子どもの様子を伝える有効な手段です。

短い会話でも積み重ねが信頼を育てます。

 

外遊びと自然体験を大切にする

 

北欧では戸外での活動が重視されてきました。

自然の中では感染リスクも下がり、心も解放されます。

特別な場所でなくても、近くの公園や庭で十分です。

 

子どもの声に耳を傾ける

 

不安や戸惑いを言葉にできると、子どもは落ち着きを取り戻します。

大人が先回りせず、静かに聴く姿勢が大切です。

絵を描いたり遊びの中で表現する方法も有効です。

 

ポイント

日々の小さな積み重ねが、いざという時に子どもを支える力になります。

 

まとめ

 

保育園で手洗いをする子どもたちのやさしい光景

 

コロナ禍は幼児教育に大きな試練をもたらしました。

しかし同時に、大切なものに気づかせてくれた機会でもありました。

子どもの育ちを支えるのは日々の関係づくりです

 

  • 3カ国で対応は違ったが、子どもを守る思いは共通していた
  • 家庭と現場のつながりが危機を乗り越える鍵となった
  • 外遊びや子どもの声を聴く姿勢が普段から大切

 

ぜひ今日から、教育や学びの場で取り入れてみてください。

 

【参考論文】

The Coronavirus Pandemic and Lessons Learned in Preschools in Norway, Sweden and the United States: OMEP Policy Forum

著者: Ingrid Pramling Samuelsson, Judith T. Wagner, Elin Eriksen Ødegaard(2020年)

DOI: https://doi.org/10.1007/s13158-020-00267-3

 

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