パンデミックを教材に!計算論的思考で学ぶ21世紀の学び方

世界の90%以上の子どもたちが、新型コロナウイルスによる学校閉鎖を経験しました。

同時に、ウイルスの広がりを正しく理解できない情報が社会に混乱を生みました。

この経験から見えてきたのは、子どもたちに必要な新しい学力の形です。

それが計算論的思考という力です。

2021年にRoberto Araya氏、Masami Isoda氏、Johan van der Molen Moris氏が発表した論文があります。

タイトルは

「Developing Computational Thinking Teaching Strategies to Model Pandemics and Containment Measures」

です。

この研究は、パンデミックを題材に計算論的思考を学ぶ教材を提案しました。

小学生から高校生まで段階的に学べる内容になっています。

実験では、困難な状況にある2つの学校の子どもたちも正しく理解できたと報告されました。

この記事では、その学びのエッセンスを日常に活かす方法を紹介します。

 

 

 

論文の概要 – どんな研究か・誰が対象か

 

教室で科学を学ぶ子どもたちの様子

 

この研究の背景には、STEM教育への強い関心があります。

STEMとは科学・技術・工学・数学をまとめた学びの枠組みです。

近年は、ここに計算論的思考を組み込む必要性が叫ばれています。

しかし、現実の問題に応用できる教材例は少なかったのです。

研究者らは現実の危機を教材にしました

題材はまさに進行中のパンデミックでした。

 

3つの柱で組み立てられた教材

 

教材はアジア太平洋経済協力の枠組みを参考に設計されています。

柱は

「アルゴリズム的思考」

です。

次に

「計算モデリング」

があります。

そして

「機械学習」

という3本柱です。

小学校から高校まで段階的に学べる構成です。

 

実証研究の対象

 

実験は経済的に困難な地域の2校で行われました。

対象は小学生と中学生です。

教師が教材を使い、子どもたちが理解できるかを検証しました。

 

ポイント

計算論的思考とは、問題を分解して手順で解く考え方です。

プログラミングだけでなく日常の問題解決にも活きる力です。

 

わかったこと – 難しい内容をやさしく要約

 

グラフを分析する学生の様子

 

研究の結論はシンプルで力強いものでした。

どの学年でも教材を導入できると示されたのです。

困難な環境の学校でも成立した点が重要です。

 

子どもが自分で感染の広がりを考える

 

計算モデリングでは、感染者数の変化を式や図で表現します。

子どもたちは、人と人の接触が増えるとどうなるかを推論できました。

マスクや距離を取る行動の意味も、数値で理解できたのです。

 

学びが社会とつながる実感

 

身近な社会問題を題材にした学びには大きな力があります。

学びと実生活が直接つながる瞬間が生まれるのです。

抽象的な数式も、家族の健康を守る知恵に変わります。

この実感が、学習への動機づけを大きく高めます。

 

教師にも実施可能だった

 

特別な専門知識がなくても、教師が授業を実施できました。

教材の手順が段階的に整理されているからです。

現場に届く教材として十分に機能することが確認されました。

 

日常で活かせること – 実践的活用法・3つ以上の具体策

 

家庭で一緒に学ぶ家族の様子

 

研究の知見は、特別な教室だけのものではありません。

家庭や学校でもすぐに始められます

ここでは3つ以上の具体策を紹介します。

 

1.身近な出来事を数字で考える習慣

 

天気予報や感染症のニュースを題材にしてみましょう。

グラフを一緒に読み、変化の理由を話し合います。

数字の裏にある仕組みへの関心が育ちます。

 

2.問題を小さく分ける練習

 

大きな課題は、小さな手順に分けると取り組みやすくなります。

宿題や家事を分解する練習を日常に取り入れてみましょう。

これはアルゴリズム的思考の第一歩です。

 

3.もしもを想像するシミュレーション遊び

 

もし全員がマスクをしたらどうなるかを考えます。

条件を変えるとどう変わるかを話し合うのです。

紙とペンだけでも立派な計算モデリング体験になります。

 

4.答えより考え方をほめる

 

正解だけでなく、そこに至る手順を評価しましょう。

子どもの思考過程を言葉にする機会を増やします。

 

ポイント

特別な道具は必要ありません。

日常のニュースや出来事を題材に、数字と手順で考える機会を増やすことが第一歩です。

 

まとめ

 

パソコンで課題に取り組む子どもたち

 

パンデミックを題材にした計算論的思考の学びは、現実と教育をつなぐ好例です。

子どもたちは、身近な危機を数字と手順で理解する力を手にします。

 

  • 現実の問題を題材にすると学びの意味が深まる
  • 問題を分解する力はあらゆる場面で役立つ
  • 家庭や学校の小さな会話から始められる

 

ぜひ今日から、教育や学びの場で取り入れてみてください。

 

【参考論文】

Developing Computational Thinking Teaching Strategies to Model Pandemics and Containment Measures

著者: Roberto Araya, Masami Isoda, Johan van der Molen Moris(2021年)

DOI: https://doi.org/10.3390/ijerph182312520

 

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